2008年10月12日日曜日

運慶 仏像彫刻の革命-西村公朝

運慶 仏像彫刻の革命
 西村 公朝、熊田 由美子   (とんぼの本―やさしい仏像の見方シリーズ)


商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
南都炎上、世は末法―平安から鎌倉へ、あらゆる価値観が崩壊し、新しく生まれようという時、日本彫刻界に一大革命をもたらした天才・運慶。人生の節目節目で重なる不思議な縁をもつ著者が同じ仏師の立場から人間・運慶を縦横に語る。慶運はどんな家に生まれ、どんな環境で育ったのか?そのデビュー作は?代表作として名高い東大寺南大門仁王像が発する“気”とは?晩年に到達した理想の世界とは?国宝一家・運慶一派(慶派)の革新の技とは、何だったのか。

仏師西村公朝氏が語ります。運慶を、奈良仏師であった慶派を。
運慶の作品や業績が読みやすく、また面白く書かれています。
運慶好きの人も、あまり知らない人も読んだ後は運慶の仏像に会いに行きたくなります。


2008年10月11日土曜日

京都、仏像をめぐる旅-吉田さらさ

京都、仏像をめぐる旅
 吉田さらさ 集英社be文庫

商品の説明
出版社 / 著者からの内容紹介
寺院回りの楽しみ方と仏像案内
広隆寺、東寺、平等院、醍醐寺、鞍馬寺、三千院、嵯峨野…など京都の人気寺とエリアを仏像をキーワードにたずねる旅。尽きない仏像への思いを語る、ミーハー仏像マニアによる熱烈ファンブック。

テラタビストを自称する吉田さらさ氏の本。
表現の仕方や端々の言葉遣いが気になるものの、京都の基本的なお寺(仏像)はしっかり押さえられていて、また萬福寺や泉涌寺などいい所も押さえられている。
京都で仏像めぐりするなら、この本に載っているお寺を回れば違いないと言う感じ。
文庫本サイズで持ち歩きやすく、効率よく京都の仏像を見るなら必携の書。
   

三十三間堂(蓮華王院)★★★★★


3時頃に三十三間堂に到着。
駐車場に入る前、博物館の本日常設展無料の文字が見えちょっと迷うがやはり三十三間堂へ。
結構混んでおり、車は入ってすぐの白線も引かれていない所に駐車。
観光バスも来ており外国人観光客の団体もいた。
「駐車は40分ね」と誘導の人に言われるが、それは無理。やっぱり2時間はかかるかなと思いながら「はい」と返事をする。駐車場は無料。
600円/人の拝観料を払って中に。

やっぱりここは何度きても凄い。
千手観音一躯一躯はそれほど凄くもないが、やはり千躯あると何が何やらわかんなくなってしまう。ただただ圧倒されるだけである。

まずは雷神。俵屋宗達もこれをここで見ていたのかと思うと面白い。
ここでスケッチさせてもらったのだろうか・・・。
二十八部衆も色々個性があって面白い。
人気のある迦楼羅王はリズムを足でとって、笛の音が今にも聞こえてきそう。
那羅延堅固や密遮金剛には轟く音や風が感じられる。
婆藪仙人は霞を食べているためか、痩せ衰えた姿で造られているのが面白い。
また、ここの吉祥天(大弁功徳天)は夫の毘沙門天に母親の訶梨帝母(鬼子母神)、父親の鬼神般闍迦と一家で揃って居はります。(子供の善膩師童子は残念ながら居ませんが、浄瑠璃寺の東京に長期出張中(毘沙門天(多聞天))から考えるといいですよね)

ただ時間配分が悪く、4時20分になってやっと半分。ご本尊の湛慶作十一面千手観音坐像に。
やばいなぁと思いつつ、その後は千手観音は置いといて、とりあえず二十八部衆のみに専念。
なんとか50分には見終えて、裏の地蔵さんや不動明王を見て売店に。

絵葉書も中途半端で本もあまり詳しくない。
ストラップは風神雷神の平面のだけだし・・・・。
もうちょっといいのがあったら欲しかったのに。

運慶13歳の時の千手観音を見なかったが、どこにあるのだろうか。
むかし外にあった梅昆布茶サービスはなくなってるし・・・。

でもとりあえず良かった。
見たなぁっていう感じのする、やっぱり一度は絶対見ておきたいお寺(仏像)です。

やさしい仏像の見方-西村公朝

やさしい仏像の見方
 西村公朝・飛鳥園    新潮社・とんぼの本

商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
如来の額のコブはいったい何? 明王はなぜこわい顔をしているの? そもそもなぜ仏像が作られるようになったの? 仏像について、ありとあらゆる素朴な疑問に答える一冊。ほとけさまの解説書の決定版。1983年刊の改訂版。

西村公朝氏の本。最後の仏師と言われ、三十三間堂の仏像を何百躯、運慶の作も多く修復された。
また愛宕念仏寺の住職でもあった。
とてもわかりやすく平易な言葉で書かれている。
基本的な如来の特徴、如来・菩薩・明王・天部それぞれの仏像に関する説明。
その他曼荼羅や持物などに関してかかれており、これ1冊読むだけで一通り
仏像の事がわかったような気がしてきます。

仏像の種類と見分け方-如来編

今回は仏像を少し体系的に分けてみたいと思います。

仏像はやはりインドから来たもので、カースト制じゃないですが
身分の違いがあります。
一番偉いのが如来で次に菩薩明王の順となります。

如来
 仏界の最高位の人で、菩薩行を修め悟りを開いた人のことです。
 本来は釈迦だけであったが、だんだんといろんな如来が考えられるようになった。

 簡単な見分け方としては、螺髪(パンチパーマ)であれば、如来となります。
 これは、悟った時に髪の毛がクルクル巻かれた事から、悟った人のみが
 この髪型となります。額の白毫(白い毛がクルクル巻いたもの)も如来だけです。
 また、服装は布を巻きつけただけのものが多い。(大日如来は違います)

 釈迦如来、阿弥陀如来、薬師如来、大日如来、廬遮那仏がいます。
 釈迦・阿弥陀・薬師如来は基本的には同じ形で、
 見分けるのは印相と脇侍となります。


釈迦如来
 お釈迦様、ゴーダマシッダルタである。
 インドの釈迦族の王子として生まれ、
 修行を重ね悟りを開いた。
 (詳しくは手塚治虫のブッダを読んでください。)
 一般的には施無畏・与願印法界定印を結ぶものが多い。
 三尊の場合は文殊(獅子)・普賢菩薩(象)を脇侍
 する事が多い。
 右は清涼寺の釈迦如来立像で内臓まで作られている。
 中国(宋)にわたった日本僧が現地の仏師に作らせたもの。
 インドで釈迦の在世中に栴檀(せんだん)の木で造らせたという由緒を持つ
 霊像を模刻させたが、霊像と模刻像が入れ替わって伝わったとも言われ、
 三国伝来(インド・宋・日本)の釈迦像とも言われる。
 この像は施無畏印(右手)・与願印(左手)をしている。

阿弥陀如来

 西方の極楽浄土、つまりあの世の主尊。
 来迎印をしていれば阿弥陀如来である。
 これは九品印で、上品・中品・下品の3種と上生・
 中生・下生の3種の組み合わせで9種類となる。
 (とりあえず指で輪っかをつくっています)
 観音・勢至菩薩を脇侍とします。   
 右は平等院の本尊で定朝の作で
 上品上生の印。

薬師如来
 当方の瑠璃光浄土の主尊。
 左手に薬壺を持っていれば薬師如来。
 日光・月光菩薩を脇侍とし、十二神将を眷属とします。

大日如来
 
五智如来にあらわされる中心となる如来。つまり仏界の王。
 胎蔵界では中央に大日・東に宝幢・南に開敷・
 西に無量寿(阿弥陀)・北に天鼓雷音。
 金剛界では中央に大日・東に阿閦・南に宝生・
 西に無量寿(阿弥陀)・北に不空成就。
 天台宗では胎蔵界、真言宗では金剛界が多い。
 智拳印(忍者のドロンの手)を結んでいれば
 金剛界の大日如来。
 胎蔵界では法界定印となる。
 (お腹の辺で手のひらを上に重ねている)
 如来であるのに装飾品や宝冠を付けたり、
 髪形も違います。
 そのため菩薩と同じようにみえる。
 個人的には円成寺(快慶のデビュー作)が一番。
 右がその大日如来坐像。(智拳印)

毘廬舎那仏
 廬舎那仏ともいう。
 大乗仏教で如来の中でも最高位となる如来。
 宇宙の真理をすべての人に照らし、悟りに導く仏。
 密教においての摩訶毘盧遮那仏は大日如来呼ばれ
 教義上違うものである。
 奈良の大仏さん(右の写真)が代表。
 これも施無畏印(右手)・与願印(左手)。

弥勒如来
 
本来は56億7千万年後に如来となり、この世を救われるので
 如来ではなく修行中の菩薩ですが、如来で表されることもあります。

2008年10月8日水曜日

京都周辺の食事処


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京都で気楽に食べに行けるところ中心です。

2008年10月7日火曜日

京都の寺社・仏像・世界遺産


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Google Mapに主に京都の寺社をプロットしています。
最近は広隆寺・六波羅蜜寺・六道珍皇寺・閻魔堂・浄瑠璃寺・東大寺等に行ってきましたので、その時のことも含めてコメントしています。