2008年10月11日土曜日

仏像の種類と見分け方-如来編

今回は仏像を少し体系的に分けてみたいと思います。

仏像はやはりインドから来たもので、カースト制じゃないですが
身分の違いがあります。
一番偉いのが如来で次に菩薩明王の順となります。

如来
 仏界の最高位の人で、菩薩行を修め悟りを開いた人のことです。
 本来は釈迦だけであったが、だんだんといろんな如来が考えられるようになった。

 簡単な見分け方としては、螺髪(パンチパーマ)であれば、如来となります。
 これは、悟った時に髪の毛がクルクル巻かれた事から、悟った人のみが
 この髪型となります。額の白毫(白い毛がクルクル巻いたもの)も如来だけです。
 また、服装は布を巻きつけただけのものが多い。(大日如来は違います)

 釈迦如来、阿弥陀如来、薬師如来、大日如来、廬遮那仏がいます。
 釈迦・阿弥陀・薬師如来は基本的には同じ形で、
 見分けるのは印相と脇侍となります。


釈迦如来
 お釈迦様、ゴーダマシッダルタである。
 インドの釈迦族の王子として生まれ、
 修行を重ね悟りを開いた。
 (詳しくは手塚治虫のブッダを読んでください。)
 一般的には施無畏・与願印法界定印を結ぶものが多い。
 三尊の場合は文殊(獅子)・普賢菩薩(象)を脇侍
 する事が多い。
 右は清涼寺の釈迦如来立像で内臓まで作られている。
 中国(宋)にわたった日本僧が現地の仏師に作らせたもの。
 インドで釈迦の在世中に栴檀(せんだん)の木で造らせたという由緒を持つ
 霊像を模刻させたが、霊像と模刻像が入れ替わって伝わったとも言われ、
 三国伝来(インド・宋・日本)の釈迦像とも言われる。
 この像は施無畏印(右手)・与願印(左手)をしている。

阿弥陀如来

 西方の極楽浄土、つまりあの世の主尊。
 来迎印をしていれば阿弥陀如来である。
 これは九品印で、上品・中品・下品の3種と上生・
 中生・下生の3種の組み合わせで9種類となる。
 (とりあえず指で輪っかをつくっています)
 観音・勢至菩薩を脇侍とします。   
 右は平等院の本尊で定朝の作で
 上品上生の印。

薬師如来
 当方の瑠璃光浄土の主尊。
 左手に薬壺を持っていれば薬師如来。
 日光・月光菩薩を脇侍とし、十二神将を眷属とします。

大日如来
 
五智如来にあらわされる中心となる如来。つまり仏界の王。
 胎蔵界では中央に大日・東に宝幢・南に開敷・
 西に無量寿(阿弥陀)・北に天鼓雷音。
 金剛界では中央に大日・東に阿閦・南に宝生・
 西に無量寿(阿弥陀)・北に不空成就。
 天台宗では胎蔵界、真言宗では金剛界が多い。
 智拳印(忍者のドロンの手)を結んでいれば
 金剛界の大日如来。
 胎蔵界では法界定印となる。
 (お腹の辺で手のひらを上に重ねている)
 如来であるのに装飾品や宝冠を付けたり、
 髪形も違います。
 そのため菩薩と同じようにみえる。
 個人的には円成寺(快慶のデビュー作)が一番。
 右がその大日如来坐像。(智拳印)

毘廬舎那仏
 廬舎那仏ともいう。
 大乗仏教で如来の中でも最高位となる如来。
 宇宙の真理をすべての人に照らし、悟りに導く仏。
 密教においての摩訶毘盧遮那仏は大日如来呼ばれ
 教義上違うものである。
 奈良の大仏さん(右の写真)が代表。
 これも施無畏印(右手)・与願印(左手)。

弥勒如来
 
本来は56億7千万年後に如来となり、この世を救われるので
 如来ではなく修行中の菩薩ですが、如来で表されることもあります。

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